主張

ロシア首相の訪中 中国は侵略加担をやめよ

ロシアのミシュスチン首相が中国を訪問し、24日に習近平国家主席と会談した。

昨年2月にウクライナ侵略を始めて以降、訪中した最も高位のロシア要人である。習氏とミシュスチン氏は、エネルギー分野などでの経済協力を深めることで合意した。中露政府は5つの協力文書を交わした。

米欧日から厳しい制裁を科され、露経済は疲弊しているが、中国はロシアに救いの手を差し伸べている。このような侵略への加担は断じて許されない。

会談で習氏は「互いの核心的利益に関わる問題で断固として支持し合いたい」と述べた。「安定的で円滑なサプライチェーン(供給網)」の確保で連携するとも語った。ミシュスチン氏は「不当な制裁をする西側に中露は断固として反撃していく」と表明した。

先進7カ国(G7)が今月の広島サミットで、中露への厳しい姿勢を打ち出したことに対抗していく意図が鮮明である。

中国はウクライナ和平を仲介する動きを見せているが、ロシアとの蜜月ぶりは中国が公正な仲介者たりえないことを示している。

習氏は3月に訪露してプーチン大統領と会談した。最近では、中国共産党の陳文清政治局員が訪露し、ロシア安全保障会議のパトルシェフ書記との会談で、年内に開く中国の巨大経済圏構想「一帯一路」関係会議にプーチン氏を招請する意向を示した。

米欧日の対露制裁は、露産原油の輸入禁止や、軍事転用されうる機械や電子部品の輸出禁止、露主要銀行の資産凍結などだ。

中国は抜け穴を提供し、ロシアを支えてきた。中露の貿易高は昨年、約1900億ドル(約26兆5千億円)と過去最高になり、今年1~4月も前年同期比で4割増だ。中国は露産原油の輸入や工業製品の輸出を急増させている。

対露制裁の回避を許さず、実効性を高めることは広島サミットでも合意されたことだ。ロシアの継戦能力を削(そ)ぐために、あらゆる努力を重ねる必要がある。

ロシアに協力する中国企業に対しては、取引を禁じる2次制裁を積極的に発動すべきだ。途上国や新興国に中露の不当性を訴えることも欠かせない。

ウクライナの反攻を対露制裁と外交で強く支え、露軍を全面撤退に追い込まねばならない。

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