NHKのインターネット活用業務をテレビ放送などと同じ「必須業務」として認めるかどうかなどを議論する総務省の有識者会議「公共放送ワーキンググループ(WG)」の第8回会合が26日に開かれ、NHKがネット業務の基本的な考えについて今回の議論で初めて表明し、井上樹彦副会長が「必須業務化に際しては、『放送と同様の効用』をもたらす範囲に限って実施していくのが適切と考える」と述べた。
NHKはテレビやラジオの放送を必須業務と位置づけ、ネット業務は補完的な「任意業務」としている。
NHKは、ネット業務が必須業務になった際、番組配信サービス「NHKプラス」を活用した「放送の同時配信・見逃し配信」と、放送と同一の情報内容の多元提供を行う「報道サイト」が範囲の基本と説明。放送と同様の効用だが異なる態様のサービスも実施するとし、居住地近くの報道関連映像を時系列に地図上で可視化する「災害マップ」などの活用を挙げた。
負担のあり方は「公平性」と「同等性」が重要だと強調。ただし、スマートフォンを保有しただけで受信料を求めることは「選択肢には入らない」とした。
一方、一部の有識者は、NHKの回答が分かりづらいなどの問題点を指摘。WG主査を務める三友仁志早稲田大大学院教授は「特に『放送と同様の効用』の定義が分からないし、疑問も感じる。NHKには懸念を自ら払拭する一層の努力を期待する」と語った。