延べ200万人救護の記録 日赤が関東大震災企画展

関東大震災で、皇居前の広場に日赤が設置した臨時の救護所(同社提供)
関東大震災で、皇居前の広場に日赤が設置した臨時の救護所(同社提供)

1923年の関東大震災から今年で100年になるのに合わせて、日本赤十字社が東京都港区の本社で企画展を開き、全国で延べ200万人以上を救護した当時の活動記録や写真などを公開中だ。看護師が担架で負傷者の搬送に追われる貴重な映像も上映している。

日赤は、1888年の磐梯山(福島県)噴火から自然災害で救護活動を開始。火災や津波、土砂災害などが多発した関東大震災では発生日の9月1日から皇居前広場にテントを張り、けが人の手当てを始めた。

展示写真を紹介する日赤本社の大西智子参事。企画展のタイトルは「温故備震」。100年前の大災害から学び、備えを進めてほしいとの願いを込めた。開館は火・水・木曜。電話による事前予約が必要=4月、東京都港区の同社
展示写真を紹介する日赤本社の大西智子参事。企画展のタイトルは「温故備震」。100年前の大災害から学び、備えを進めてほしいとの願いを込めた。開館は火・水・木曜。電話による事前予約が必要=4月、東京都港区の同社

日赤本社の建物は倒壊を免れたものの、火災で全焼。仮事務所での対応を余儀なくされ、各地の支部から応援が入った。被害が大きかった東京、神奈川では1600人以上の看護師らが延べ約41万人を救護した。各地の主要駅などにも避難者に対応する救護所を設置、東京・神奈川を含めた救護者数は延べ約207万人に上った。

当時、世界各国からも多くの支援が寄せられた。

米国から調剤用に送られ、未開封で保存されていたウイスキー=4月、東京都港区の日赤本社
米国から調剤用に送られ、未開封で保存されていたウイスキー=4月、東京都港区の日赤本社

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