長野県中野市で男が猟銃を発砲するなどして男女4人が亡くなった事件で、県警の小山巌本部長が26日正午ごろから約1時間にわたり記者会見した。主な一問一答は以下の通り。
--4人が亡くなった事件への受け止めは
「被害に遭ってお亡くなりになられた方に哀悼の意を表するとともに、ご遺族の皆さまに心よりお悔みを申し上げる。また警察官2名が殉職することになり本部長としては痛恨の極み」
-昨夜午後7時台、8時台の発砲はどういうものか
「被疑者に聴取するなどして解明していきたい」
--警察官殺害容疑への認否、動機は
「被疑者は犯行を認めている。詳細は捜査に支障が出かねないので控える」
--容疑者の家族構成
「父母とおばの4人暮らし」
--警察官の装備は
「女性がナイフで刺されたという通報で行っている。防弾チョッキは着けていなかった」
--トラブルの相談は
「現時点で把握していない」
--猟銃の許可については把握しているか
「計4丁の許可を取っている。どういう保管になっていたかは明らかにしていきたい」
--精神的疾患は
「あったとは把握していない。許可を受ける際、更新する際に精神疾患がない旨の診断書を受けることになっており、提出していた」
--(警察官の)胸部に命中させたのは1発か
「1発と考えているが司法解剖で解明したい」
--(4人目の被害者の)竹内靖子さん(の死因)は銃によるものか、刃物によるものか
「刺されたものと考えているが、正確なところは解剖してから」
--(容疑者の)確保時、自ら出てきたのか
「説得をして被疑者が出てきた。投降したといえる」
--今の被疑者の状況
「特に取り乱したということはない。調べには応じている」
--警察側からの発砲は
「ない」
--(死亡した村上幸枝さんと竹内さんは)警察官が駆け付ける前には襲われていた
「前後関係はこれからだが、4人のタイミングはそれほど離れていない」
--他県警の応援は
「ヘリを長く飛ばせないので、新潟と愛知には協力してもらった。警視庁はSIT(捜査1課特殊班)、神奈川県警からも応援を得た」
--説得の方法は
「詳細は控えるが、一般には電話など、地声、スピーカーだが、スピーカーは今回使わなかった」
--投降時、被疑者は投降の意思を示したか
「そういう意思が示された」
--初動対応で課題はなかったか
「刃物があってすぐに発砲があった。刃物事案として想定していたので、そこからの展開が非常に速かったかなと思っている」
「110番を聞く限り、刺されたという通報があり、間髪入れず発砲だったと聞いている」
--対策を強化するか
「この手の立てこもりは非常に難しい。県警だけでは難しく、警視庁などとの連携が重要と思っている」
--(所持していた)猟銃の種類は
「散弾銃2丁、空気銃1丁、それ以外1丁。どれが使われたかは今後の捜査で解明」
--サバイバルナイフの刃渡りは
「110番通報では30センチぐらいだったが、実際どうだったかは今後明らかにする」
-(殉職した)池内卓夫さんと玉井良樹さんの人柄、働きぶりは
「非常に仕事熱心だったとは聞いている」
--容疑者からの要求は
「ありません」
--猟銃4丁はいずれも正規のルートで入手
「そう考えている。どこで購入したかは現時点では分からない」
--被疑者は途中で外に出てきたというが時間は
「割と頻繁に出ていた。出たり、入ったりしていた」
--捜査の難しかった点は
「銃器使用は立てこもりの中でも難しい。ナイフならもっと近づけるが、下手に近寄ると警察官側が被害を被る。そういう意味で配置も困難なところがあった。また夜なので、向こうも我々もよく見えない。見逃すと大変になるので神経を使った。すぐに投降してほしかったが、結果的には12時間ぐらいかかった」
--アルコールや薬物の影響は
「現時点では聞いていない」
--許可を出したことが問題だったとは
「現時点ではない」
--投降時の状況描写を
「手を上げたときもあれば、頭に乗せたこともある。基本的には手を上に上げて、手に(銃を)持ってないことを確認して確保した」
--2人が脱出したが、逃がされたのか、すきをついて逃げた?
「お母さんは自分の意志。おばさんは詳細を確認できていない」
--供述内容は
「控える。容疑としては認めているということ」
--家庭トラブルの把握は
「現時点では確認されていない」