政府戦略会議 生成AIのリスクと活用の評価を 論点整理

第2回AI戦略会議に出席した(左から)松本剛明総務相、高市早苗科学技術担当相、河野太郎デジタル相=26日午後、東京都千代田区(萩原悠久人撮影)
第2回AI戦略会議に出席した(左から)松本剛明総務相、高市早苗科学技術担当相、河野太郎デジタル相=26日午後、東京都千代田区(萩原悠久人撮影)

人工知能(AI)の活用やルール作りについて検討する政府の有識者会議「AI戦略会議」は26日、2回目の会合を開き、AI活用へ向けて「論点整理」について議論した。文章や画像を自動で作成する「チャットGPT」に代表される生成AIが持つリスクとして著作権の侵害や情報漏洩(ろうえい)などへの対策を講じることを柱とした。会合に出席した河野太郎デジタル相は冒頭のあいさつで「(AIの)リスクの実態と活用による可能性を同じように評価し、バランスのある政策を進めていく必要がある」と述べた。

公表する見通しの「論点整理」では、生成AIが労働力不足の解消や生産性の向上などに寄与する可能性を指摘する。一方で、リスクへの対応の重要性も強調。先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で合意した「広島AIプロセス」のもと、国際的なルール作りへ向けた議論を主導する必要があるとした。

想定されるリスクとしては、機密情報の漏洩、犯罪やサイバー攻撃の巧妙化、偽情報がもたらす社会の不安定化、著作権侵害などを挙げる。対策として、AI開発者らに対しデータの取り扱いを開示することを求めたり、偽情報やAIによる生成画像かどうかなどを判定するソフトを開発したり、現行の法令を周知したりすることなどが盛り込まれる見通しだ。

一方で、医療、介護、行政、教育、金融、製造などの分野においては活用が期待されるとも指摘。国内の企業や関係機関によるAI開発の支援の重要性を訴え「慎重かつ大胆な戦略」を打ち出すことが必要との認識を示すとみられる。

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