芥川賞作家で、男性との格差や性差といった女性問題について文学者として発言している笙野(しょうの)頼子氏が、性的少数者(LGBT)のうちトランスジェンダー(生来の性別と本人が思う性別=「性自認」が異なる人)の権利拡大を目指す運動について、「女を消す運動だ」と批判している。名付けて「女消」(メケシ)。自民・公明両党が国会に提出したLGBT法案が女性の安全を脅かすとの懸念が高まる中、笙野氏は産経新聞のインタビューに応じ、「いまのフェミニズムは女性のためのものではない」などと語り、法案への反対を表明した。
LGBTはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をあわせた略称。自民党が用意した法案は当初、「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されない」としていた。性自認は自分の認識する性別に過ぎず、男性が自身は女性だと偽称して女子トイレや女湯に入ることを防ぐことができなくなるなどの懸念が噴出。実際に海外ではトランスジェンダーを自称する男が女性施設に入り、女性に性的暴行を加える事件が続発している。
笙野氏は、LGBT運動推進派から受けたバッシングも証言し、反対派と議論しない推進派の独善的体質を批判した。