韓国国防省が容認「国際慣例に従う」 海自艦「旭日旗」掲げ入港へ

国際観艦式に臨む海自艦と海外から参加した艦艇=2022年11月6日午前、神奈川県沖の相模湾(海上自衛隊機から・春名中撮影)
国際観艦式に臨む海自艦と海外から参加した艦艇=2022年11月6日午前、神奈川県沖の相模湾(海上自衛隊機から・春名中撮影)

【ソウル=時吉達也】韓国国防省は25日、今月末に南部済州(チェジュ)島沖の公海上で実施される多国間訓練に際し、海上自衛隊の護衛艦が自衛艦旗である旭日旗を掲げ韓国国内に入港することについて「国際慣例に従う」として容認する姿勢を示した。

訓練は日米韓豪の艦船などが参加し、31日に実施。北朝鮮への大量破壊兵器の密輸入を想定し、違法運送が疑われる船舶の探索や乗船検査のシミュレーションを行う。海自の護衛艦は、訓練に際し南部釜山(プサン)港に入港するとみられる。

韓国国防省の報道官は25日の会見で、外国に入港する艦艇が国旗や軍旗を掲揚するのは「世界中で共通」だと指摘。すべての訓練参加国に「国際慣例と相互主義」が適用されると述べ、旭日旗の掲揚に問題はないとの認識を示した。

韓国国内では、旭日旗の掲揚に対し「軍国主義の象徴」だとの反発が上がる。文在寅(ムン・ジェイン)前政権下の2018年、韓国で開催された国際観艦式では、日本側に旭日旗の掲揚自粛を求め、日本は参加を取りやめた。同年12月には韓国海軍駆逐艦による海自哨戒機への火器管制レーダー照射問題も発生し、防衛当局間の関係は悪化の一途をたどった。

一方、昨年5月に発足した尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は北朝鮮の核・ミサイル開発に対抗し、日本との安全保障協力の強化を重視。昨年11月には、日本で開催された国際観艦式に、韓国軍が15年以来約7年ぶりに出席していた。

海自艦、旭日旗掲げ韓国寄港へ 今月末 国際共同訓練参加

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