相続した土地の所有権を手放し国に帰属させることができる新制度を巡り、各地の法務局で相談受け付けを始めた2月下旬から、5月中旬までに利用申請に関する相談が約6500件寄せられたことが25日、法務省関係者への取材で分かった。新制度は、土地の所有者が分からず放置されている問題の解消が狙い。相談のうち4月27日の施行以前は4千件弱で、制度開始後に急増した。
関係者によると、制度開始後、必要書類をそろえ法相の承認を求める申請は、5月中旬までに約280件あった。うち約4割は田畑、約3割は宅地。これらの土地の放棄が承認されれば、国による利活用につながる可能性がある。
新制度は①更地②担保に入っていない③境界線が明確④土壌汚染や埋設物がない―といった要件があり、法務局が半年~1年かけて申請を審査。クリアすれば国有財産として管理する。申請者には10年分の管理費用相当額の納付を求める。