パリ社交界彩った帽子 京都で「マリー・ローランサンとモード」展

マリー・ローランサン《ピンクのコートを着たグールゴー男爵夫人の肖像》
1923年頃 油彩/キャンヴァス
パリ、ポンピドゥー・センター 
Photo ©Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-Grand Palais / image Centre Pompidou, MNAM-CCI / distributed  by AMF
マリー・ローランサン《ピンクのコートを着たグールゴー男爵夫人の肖像》 1923年頃 油彩/キャンヴァス パリ、ポンピドゥー・センター  Photo ©Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-Grand Palais / image Centre Pompidou, MNAM-CCI / distributed by AMF

第一次世界大戦以前のフランスでは、帽子が女性のファッションで一番重要なものであった。世間体にこだわる女性は決して無帽では外出しなかったこの時代。羽根や花などで派手に飾られた帽子のサイズはどんどん大きくなり、ついには劇場で帽子を被ることが禁止されたほどだったという。

大戦後の1920年代、パリ社交界では、柔らかな色彩と繊細な画風を特徴とするマリー・ローランサンに肖像画を描いてもらうことが一種のステータスとなったが、彼女の描いた肖像画の女性たちも、そのほとんどが帽子を被っている。

ガブリエル・シャネル《帽子》
1910年代 シルクベルベット
神戸ファッション美術館
ガブリエル・シャネル《帽子》 1910年代 シルクベルベット 神戸ファッション美術館

20世紀を代表するファッションデザイナー、ココ・シャネルも、帽子デザイナーとしてキャリアをスタートさせた。当時主流だった仰々しい飾りのついた帽子ではなく、彼女が制作したのは装飾を抑えたシンプルな帽子。その新鮮な感覚は周囲から高く評価された。彼女はのちに、女性のファッション全体をも大きく変革していった。

京都市京セラ美術館(同市左京区)で開催中の「マリー・ローランサンとモード」では、アートとファッションという異なる分野で時代に煌(きら)めいたローランサンとシャネルの2人のカリスマにスポットを当てる。

オランジュリー美術館やマリー・ローランサン美術館など国内外のコレクションから絵画、ドレス、資料など約90点のラインアップで2人の活躍を紹介している。

開催概要

【タイトル】マリー・ローランサンとモード1920年代パリ、女性たちは羽ばたいた—ココ・シャネル、マドレーヌ・ヴィオネも活躍

【会期】2023年6月11日(日)まで、月曜休館

【開館時間】午前10時~午後6時(入場は閉館30分前まで)

【会場】京都市京セラ美術館 本館 北回廊1階(同市左京区)

【入場料】当日券一般2000円、大学・高校生1500円、中学・小学生700円。

【チケット】イープラス、ローソンチケット(Lコード50600)、チケットぴあ(Pコード686-368)、セブンチケット(セブンコード099-099)など

【問い合わせ】同館(075-771-4334)

「マリー・ローランサンとモード」京都展公式WEBページ

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