チャットGPT導入で議論 埼玉の各自治体

県は職員向けに「チャットGPT」に関する初の勉強会を開催した=22日午後、県庁(星直人撮影)
県は職員向けに「チャットGPT」に関する初の勉強会を開催した=22日午後、県庁(星直人撮影)

対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の導入をめぐり、埼玉県内の自治体で議論が活発化している。埼玉県は22日、チャットGPTへの理解促進を目指し、初の勉強会を開催したほか、埼玉県戸田市では調査研究事業をスタートした。さいたま市教育委員会も25日、教育活動での活用の可能性について議論する研究会を新たに設置。今後、他の自治体でも導入に向けた議論が加速する可能性がある。

チャットGPTの活用に向けた議論が各地で進む中、戸田市は4月、課長クラスの職員で構成する調査研究チームを立ち上げ、他の自治体に先駆けて試用を開始した。今後、自治体業務におけるチャットGPTの活用方法などについて検討し、10月までに報告書を取りまとめて公表するとしている。同市デジタル戦略室の大山水帆室長は「現在はどのような業務で利用できるか検証する段階。時期は未定だが、市の業務でも活用を検討していく」と説明した。

県もチャットGPTの活用に向けて検討を進めている。22日には専門家を招き、県職員向けに初の勉強会をオンライン形式で開催。勉強会では、チャットGPTを活用するために必要な能力として▽適切な質問を立てる能力▽明確な指示や要求を伝える能力▽正確性や信頼性を判断する能力-などが紹介された一方で、噓をつき不正確な情報を答える場合があるといった問題点も指摘された。大野元裕知事は、個人情報の扱いなどについて「安全性が検討されなければいけない」としているが、勉強会では業務を限定することを前提として「もう内部で組み込んでもいいのではないか」と発言。チャットGPTの導入に向けて、前向きな姿勢を示した。

さいたま市教委は25日、チャットGPTなどの生成系AIについて、教育活動での活用の可能性について議論する「生成系AI活用研究会」を開設。初日の研究会には教職員ら約50人がオンライン形式で参加し、外部の有識者も交えて意見交換するなどした。同市教委は教育活動でのチャットGPTの導入時期について未定とした上で、「急速な社会情勢の変化に対応するため、生成系AIについて教職員らが理解を深めることが重要だと考えている」としている。(星直人)

会員限定記事会員サービス詳細