天皇、皇后両陛下は24日、神奈川県横須賀市の県立観音崎公園を訪れ、先の大戦で犠牲となった民間の船員ら約6万3000人を慰霊する「第50回戦没・殉職船員追悼式」に臨席された。両陛下は約400人の参列者とともに黙禱(もくとう)をささげ、「戦没船員の碑」に花束を手向けて拝礼された。
天皇陛下は式典で「先の大戦の記憶が薄れようとしている今日、我が国の平和と繁栄が、戦没・殉職船員を始めとする多くの人々の尊い犠牲の上に、国民のたゆみない努力によって築き上げられてきたものであることを、決して忘れてはならないと思います」と述べられた。
昭和19年3月に商船の甲板長だった父=当時(53)=を魚雷攻撃で亡くした女性(81)に対し、陛下は「お父さまのお顔を覚えていらっしゃいますか」、皇后さまは「お母さまがご苦労されましたね」と声をかけられたという。