軽やか、サラサラな着心地は「もはや肌」 汗ばむ季節に「涼ブラ」人気の秘密

旅行やフェス、花火など夏の予定に胸が弾むこの時季は、涼やかで軽やかな着こなしに目が向き始める。でも、薄着になると汗ばんだ下着が気になって、せっかくの装いも気分も台無しになりがち―。こんな悩みを抱える女性から支持を集めるのが、「B.V.D.」ブランドを展開する富士紡ホールディングスのノンワイヤーブラ「涼ブラ」。軽い、蒸れない、すぐ乾くという特長が女性をストレスから解放し、累計280万枚を販売する人気シリーズになっている。ジメジメした湿気や、ギラギラした日差しの季節を控え、気になる機能の秘密に迫った。

洗濯、締め付け、蒸れのストレス一気に解消

「軽くて楽でストレスフリー」

「蒸れずに涼しい」

「雨の時期でも乾きやすいので、とてもありがたい」

約2万4000人の涼ブラ“ファン”が集うコミュニティサイトには日々、女性の悩みや思いの詰まったコメントが集まる。商品企画を担当したデザイナー、横内美幸さんは「開発の原点となった思いや、商品に盛り込んだ工夫が伝わってうれしい」と目を細めた。

涼ブラは働く女性の増加で、家事の時短をうたう家電が登場したことに触発され、洗濯・乾燥の手間を減らす下着をつくろうと開発をスタート。当時は“寄せて上げる”バストメイク重視の商品が主流だったが、横内さんは発想を転換し、締め付けや蒸れなどストレスを一気に解消する「軽くて、涼しく、すぐ乾く」をテーマに開発を進めた。

涼ブラは働く女性の増加で、洗濯の時間帯が移行していることから、朝までに乾く速乾性を目指した
涼ブラは働く女性の増加で、洗濯の時間帯が移行していることから、朝までに乾く速乾性を目指した

2009年の発売から徐々に浸透し、競合の参入でノンワイヤーブラの認知が広がった17年以降は5年連続で2ケタ増が続く人気に。新型コロナウイルス下も安定した支持を保ち、春夏を中心に年約30万枚を販売する定番商品になっている。

約33グラムの軽さで“楽”に

人気を支えるのが、女性のニーズに寄り添った横内さんの思いを忠実に具現化した機能性の高さ。繊維事業から発展したフジボウグループの素材や製法へのこだわりを生かし、かつてない快適さを追求している。

まず、締め付け感の少なさと並ぶ涼ブラの特長に軽さがある。涼ブラはMサイズ(アンダーバスト70センチのB~Cカップ相当)で約33グラム。発売当時、重量値を前面に出す下着は異例だったが、「軽いと“楽”になると伝えたかった」(横内さん)。

実際、2年前から愛用する40代会社員は「ブラの重さを意識したことはなかったから、友人の勧めで試してびっくり。着けているというより、もはや肌に近い感覚」と第一印象を振り返る。

快適さを1日中保つため、通気性を高めようと素材や製法をゼロベースで検討し直した。夏場の汗や蒸れが気になるカップ部分は一般的にポリエステルわたやウレタンが使われるが、涼ブラはマットレスなどに使う高品質なクッション材を採用する。

「ポリエステルわたの通気性とウレタンの保形性を両立する」という高機能なクッション材を採用したカップ
「ポリエステルわたの通気性とウレタンの保形性を両立する」という高機能なクッション材を採用したカップ

繊維が立体的に絡み合う構造で、隙間からバストに空気が入り、蒸気が出る一方、適度な弾力性を確保している。横内さんは「高い通気性と、洗濯機で繰り返し洗っても型くずれしない耐久性を両立した」と説明する。

吸水速乾糸を編んだメッシュ生地

さらに、見た目も涼しいメッシュ状の生地は、栃木県足利市の老舗メーカーと共同開発した。横内さんの求める水準を実現するため、身体にフィットした伸縮性を出せる編み物のうち、「経(たて)編み」という希少な製法を採っている。

一般的な肌着や下着には糸をらせん状に編み立てる「丸編み」生地を使用することが多いが、メッシュを編むことができず、切り口も徐々にほつれてしまう。これに対し、経編みは通気性の高いメッシュを編むことができ、生地端にほつれ止めをした「ヘム仕上げ」にできるため、「背中に段差のないフラットなラインを描ける」(横内さん)。

生地を構成する糸もスポーツウエアが採用する吸水速乾の高機能品を選んだ。断面がW型構造である繊維からできている糸が素早く水分を取り込み拡散するため、着用中にかいた汗の吸収・乾きが速いことはもちろん、洗濯後に干す時間の短縮にもつなげた。

この開発努力が実を結び、ユーザーからも快適さを実感する声が上がる。都内で働く30代の営業職は「夏場の外回り後にジャケットを脱ぐと汗で下着が透けないか気になっていたけど、涼ブラはシャツにくっつかないし、サラサラのまま」と安堵(あんど)の表情をみせる。50代の会社員も「夜に洗濯しても、翌朝には乾いている。脱水したら、もう乾いているんじゃないかと思うくらい」と笑顔で語った。

旅行やお出かけにも

軽い、蒸れにくい、すぐ乾く―。開発当初から続くテーマを守り、人気シリーズに成長した涼ブラ。17年からはフェミニンなプリント柄アイテムもラインアップに追加し、21年にはウエブ限定でリニューアルした。広がるユーザー層の要望を受け、機能は維持しつつ、ストラップの食い込み感を和らげるため幅をミリ単位で調整し、D~Eカップに対応するMG、LGサイズを投入している。

今後は旅行やレジャーの需要回復を見込み、お出かけ気分を盛り上げるレースなどの展開も検討する。横内さんは「涼ブラは旅先でもすぐに乾き、荷物を減らせる。日々の暮らしで実感してもらった快適さをより幅広いシーンに広げたい」と話した。

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提供:富士紡ホールディングス株式会社

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