英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は19日、ウクライナのゼレンスキー大統領が21日、広島で開催されている先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に対面で出席すると報じた。関係者の話として伝えた。米ブルームバーグ通信も同氏が広島を訪問すると報じた。ウクライナを侵略するロシアから自国領土を奪還するための大規模な反転攻勢を前に、岸田文雄首相やバイデン米大統領らG7首脳に支援の強化を訴える狙いとみられる。
ゼレンスキー氏は当初、19日午後にオンラインでサミットに参加する予定だったが、日本政府は18日、ゼレンスキー氏が「ウクライナ側の事情」により、21日にオンラインで参加すると発表していた。
ゼレンスキー氏の訪日が実現すれば、2022年2月24日にロシアがウクライナ侵攻を始めてから最初のアジア訪問となる。同氏は昨年12月に米国を訪問し、今月にはG7構成国であるイタリア、ドイツ、フランス、英国を歴訪して、各国首脳に軍事支援の拡大を訴えた。岸田首相は3月にウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、ゼレンスキー氏と会談した。
サミットへの出席を通じ、ゼレンスキー氏は米国製のF16戦闘機の供与実現を働きかける可能性がある。バイデン米政権は供与に慎重だ。インドや韓国などの招待国にも協力も呼び掛け、インドを始めとするグローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)からの支持拡大につなげる構えとみられる。