ネットショップの運営体験を通し、京都の高校生のキャリア形成を後押ししようと、ネットショップ作成サービス運営の「BASE(ベイス)」(東京)と京都市教育委員会が17日、教育に関する連携協定を結んだ。ネット通販(EC)の知見やノウハウを持つBASE社員が講座を行い、生徒が卒業した後の進路の選択肢拡大を目指す。
「物を作るだけでなく、販売までの流れを学んでビジネスを身近に感じてほしい」。締結式でBASEの鶴岡裕太社長はこう力を込めた。平成24年に設立されたBASEは簡単にネットショップを開設できるサービスを手がけており、すでに約190万店が出店している。
市教委によると、BASE社員が高校を訪れ、生徒に座学でネットショップの基礎知識を伝える。その後、商品説明や値段設定などネットショップの開設をレクチャーする。商品販売はしない。
講座は全3回。今後、市教委が希望校を募集する。すでに美術工芸高と日吉ケ丘高での実施が予定されている。協定締結は、鶴岡氏が京都芸術大の客員教授を務めていたことが縁で実現した。
BASEは昨年8月に大分県と、今年4月には熊本市とそれぞれ協定を締結し、自治体との連携強化を進めている。大分県出身の鶴岡氏は「都市部に比べ、地方では起業意識が低く大きなギャップを感じていた」と指摘。「誰もが夢を諦めない社会を作りたい」と話した。その上で「ゆかりある京都市と協力できることは光栄。よりよい社会のために一緒に活動したい」と述べた。(鈴木文也)