恐竜絵画の名品・珍品が世界各国から集結する特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」東京展が、5月31日(水)から上野の森美術館で開幕します。
“恐竜”と聞けばそのイメージをすぐに思い浮かべることができます。しかし、既に恐竜は絶滅してしまい、誰も生きている姿を見たことはないはずです。
恐竜が“発見”されたのは19世紀のこと。それ以降、化石などの痕跡から人々は想像をふくらませ、絵画などの手段によって太古の巨大生物の姿を創造してきました。そしてその姿は、研究の進化とともに目まぐるしい変遷を遂げてきました。
たとえばイグアノドン。19世紀の“発見”当初は、四つんばいで鼻の上にツノが生えた姿だと考えられてきました(ベンジャミン・ウォーターハウス・ホーキンズ《爬虫綱―地球史上第二紀に生息していたディノサウリアすなわち巨大トカゲ》)。しかしベルギーで全身骨格が発見されたことをきっかけに、ゴジラのような仁王立ちに(ズデニェク・ブリアン《イグアノドン・ベルニサルテンシス》)。鼻の上にあったツノは、親指のスパイクになります。さらに20世紀後半に「恐竜ルネッサンス」が起こると、尾をあげて前傾姿勢のすばしこそうな姿となりました(徳川広和《イグアノドン》)。
また堂々たる仁王立ちのニーヴ・パーカー《ティラノサウルス・レックス》は昭和世代には懐かしいですが、令和っ子がこの作品を見ると「なんか変!」。世代によって思い描く姿が違うのも面白いです。
同時期には同じ東京・上野の国立科学博物館で「恐竜博2023」も開催されています。今年の初夏は上野で恐竜ざんまいはいかがでしょうか。
開催概要
特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」
【会期】5月31日(水)~7月22日(土)
【会場】上野の森美術館(東京・上野公園)
【主催】産経新聞社、フジテレビジョン、上野の森美術館
【公式HP】 https://kyoryu-zukan.jp/