現在システムメンテナンス中です

会員記事の閲覧など一部サービスがご利用できません。
ご迷惑をおかけしますがご理解のほどよろしくお願いいたします。

2月27日(日)午前5時頃まで

サービス再開時間が前後する場合があります。

→詳細へ

正論

防衛の基本政策の矛盾解消せよ 麗澤大学特別教授、元空将・織田邦男

新たな国家安全保障戦略など「安保3文書」を決定し会見する岸田文雄首相=2022年12月16日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
新たな国家安全保障戦略など「安保3文書」を決定し会見する岸田文雄首相=2022年12月16日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

国会での議論が深まらない。昨年暮れ、安全保障関連3文書が閣議決定され、防衛費の国内総生産(GDP)比2%への増額や反撃能力の保有が決まった。その際、「唐突だ」「十分な議論がない」などの批判が上がった。国会が開催されても防衛財源以外の本質的な論議は一向に盛り上がらない。

織田邦男氏
織田邦男氏

「フィクション」と決別

今回の安保3文書は、安全保障が防衛省の専権事項ではなく、国家の総力を挙げて対応すべきものだと改めて示した優れた戦略文書である。だが2つの欠点がある。核抑止戦略が欠けていること。情勢に追随できない防衛の基本政策を前提にしていることである。核抑止戦略の欠如については月刊正論4月号に書いたので、ここでは後者について述べる。

これまで防衛力整備の方向性を示すものとして、6度にわたり「防衛計画の大綱」が策定された。3度目までは「基盤的防衛力」構想に基づいていた。基盤的防衛力構想とは「脅威」に「対抗」するものではなく、我が国自身が「力の空白」とならぬよう必要最小限の防衛力を保有するものである。いわば戦いは「フィクション」であったといえる。4度目以降は「動的防衛力」「統合機動防衛力」「多次元統合防衛力」と状況適応型の防衛力構築を目指したが、基盤的防衛力構想から完全には決別できなかった。

ランキング

  1. 【産経抄】「近くて遠い星」を愛でる無料プラン記事

  2. 【石平のChina Watch】対米改善急ぐ習政権の思惑有料プラン記事

  3. 【正論】10兆円の「安保技術推進基金」を 元内閣官房副長官補、同志社大特別客員教授 兼原信克無料プラン記事

  4. 【主張】水俣病特措法訴訟 被害者をもう泣かせるな

  5. 【主張】児童虐待 見守り強化し早期発見を

  6. 【アイラブNY】身なりを整える

  7. 【主張】米国版「はやぶさ」 初代の偉業をつなげたい

  8. 【浪速風】球団経営は変われど変わらぬ阪神ファンの熱さ

  9. 【論壇時評】10月号 出色の「世界」小泉悠論考 文化部・磨井慎吾

  10. 【産経抄】ギターと宇宙、時を越え無料プラン記事