先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)が19~21日、広島市で開かれる。岸田文雄首相をはじめとするG7の首脳が国際情勢を巡って議論するが、ロシアの侵略を受けるウクライナや国際的に存在感を増すグローバルサウス(南半球を中心とした新興国・途上国)など、議論される側はどんな思いで会議を見つめているのか。ウクライナや新興国の視点からの議長国・日本への要望を3人の識者に聞いた。このうち、インド・オブザーバーリサーチ財団研究員のビベク・ミシュラ氏の話は次の通り。
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G7広島サミットは、既存の世界秩序が揺れ動く激動の時期に開催される。ウクライナでの戦争はいつ終わるとも知れない。南半球を中心とした途上国・新興国であるグローバルサウスは、戦争が原因となった過去に類を見ないインフレやサプライチェーン(供給網)の脆弱(ぜいじゃく)化といった問題に直面する。留意すべきなのは、グローバルサウス諸国自体には何の落ち度もないという点だ。
インドには、グローバルサウスの主要国として、G7とグローバルサウスをつなぐ懸け橋になりたい考えがある。インドの国際社会での存在感向上とともにG7の側もインドを無視できなくなってきている。議長国日本には、グローバルサウス代表としてのインドの役割を後押しした上で、G7各国に南半球の懸念に留意するよう働きかけてほしい。