GWに行きたい道の駅

瀬戸内海を眺め、至福の海鮮バーベキュー 「カキの里」…兵庫・たつの市

プライベートビーチに下りる階段
プライベートビーチに下りる階段

兵庫県たつの市の「道の駅みつ」は、眼前に広がる大海原の絶景を眺めながら地元で取れた海の幸を楽しめる人気スポットだ。店内のお土産コーナーでは、海産物だけでなく農産物や加工品など地元の特産品も豊富にそろえており、休日以外も多くの人でにぎわっている。

一年中楽しめる牡蠣

播磨灘沿いの国道250号を車で走っていると、巨大な建物が突然現れる。前は海、後ろは切り立った山というロケーション。風格のあるたたずまいの建物にはぽっかりと「穴」が開いており、そこから海をのぞき見ることができる。

「穴」は階段になっており、併設のプライベートビーチへと続いている。頰にあたる潮風が心地いい。風に乗って何やらいい香りが漂ってきた。ここでは、ビーチ前と建物屋上のスペースで、海を眺めながら海産物のバーベキュー(BBQ)を楽しめるのだ。

施設周辺の名産品といえば室津牡蠣(かき)。山々から海に流れ込む豊富な栄養分で育つ、大振りでふっくらとしたブランド牡蠣だ。「冬場から春にかけてはマガキ、春から夏、秋にかけてはイワガキなど、ほぼ一年を通して牡蠣を楽しめるのがうちの売りです」と駅長補佐の松田清宏さん。

前は海、後ろは切り立った山というロケーションにある「道の駅みつ」
前は海、後ろは切り立った山というロケーションにある「道の駅みつ」

店内の鮮魚コーナーで、牡蠣のほかホタテ貝、スズキの切り身、エビなどがセットになったボリュームたっぷりの「海鮮BBQセット」(1人前2800円、炭代、調味料代などを含む)を購入し、海辺のBBQスペースへ。

牡蠣はふっくらしてぷりぷり。コクとうまみがありながらもくせがなく食べやすい。他の海産物も新鮮で、そのまま食べてもおいしいが、特製のタレをつけて味の変化も楽しむ。BBQグリルの熱気の向こう側に瀬戸内海に浮かぶ家島諸島がゆらゆらと揺れてみえる。至福のひとときだ。

 室津牡蠣など地元産の魚介類がボリューム満点の海鮮バーベキュー
室津牡蠣など地元産の魚介類がボリューム満点の海鮮バーベキュー

季節のお膳も人気

「道の駅みつ」は平成22年2月にオープンした。開業前は「こんな辺鄙(へんぴ)な場所では、はやらないのでは」と地元関係者は心配したというが、ふたを開けてみれば、国道が渋滞するほどの大盛況。松田さんは「牡蠣という核になるグルメがあって、海の絶景も楽しめる。それとプライベートビーチがあって、ちょっとした水遊びができるというのが大きいと思います」と人気の理由を語る。

グルメはBBQだけではない。屋内のレストランは地元産の海の幸、山の幸をふんだんに使った「季節のお膳」が評判で、休日は行列ができる人気ぶり。料理長の牧野良弘さんは「食材はどれも一級品。本来の味を損なわないよう、できるだけ手を加えないようにしています」と話す。

お膳は牡蠣をメインに、旬の魚介類や地元産の野菜を組み合わせ、年に3、4回ほど入れ替える。「これからのシーズンは、朝掘りのタケノコを使った釜飯や地元産のアサリなどを使ったメニューを出します」

足元までガラス張りの開放感たっぷりのレストランで、海を眺めながら味わう牧野さんのこだわり料理は絶品。常連客の中には、事前に施設に電話してきて牧野さんが出勤しているか確認する人もいるという。

お土産、イベントも満載

BBQやレストランで地元産グルメを堪能した後のお楽しみ、お土産コーナーも充実している。海産物や地元産の野菜のほか、たつの市名産のしょうゆ、そうめん、牧野さん考案の牡蠣ポン酢、牡蠣フライソース、地元企業や学生とのコラボレーションで生まれた加工食品や工芸品…とオリジナル商品を含め常時千点以上をそろえている。

このほか、地元漁師の協力を得て随時実施する地引き網体験や近くの新舞子浜で行う潮干狩りなどイベントも盛りだくさん。周辺には、歴史ある街並みが魅力の室津漁港や綾部山梅林など魅力的な観光スポットが多数あるが、「道の駅みつ」だけでも十分楽しめそうだ。(古野英明)

道の駅みつ 兵庫県たつの市御津町室津896の23。079・322・8500。レストランのメニューは季節のお膳のほか海鮮丼(1150円)、アナゴ丼(1300円)、舌平目など魚まるまる1匹を使った「大名にゅうめん」(1450円)など多数。

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