活動している芸妓(げいこ)がたった一人しかいなかった奈良市の花街・元林院町(がんりいんちょう)で28日、新たな芸妓、芳菊(よしき)さん(33)=本名・朝井莉名=がデビューした。同花街が新たに導入した「兼業」制度のもと、月の半分は東京で俳優を続けながら、残りの半分で奈良で芸妓をする「二刀流」で活動する。
この日はお披露目会が開かれ、芳菊さんは正装の黒紋付の着物をまとい、源氏物語をモチーフにした作品など3演目を踊った。近畿各地から集まった客ら約30人は盛んに拍手を送り、新たな門出を祝った。
芳菊さんは「皆さんの優しさに支えられ、無事踊り切ることができた。私の持ち味を生かしたおもてなしをしていきたい」と話した。芳菊さんは長野県出身。22歳で上京し演劇を学んだ後、俳優活動を始め、舞台や映画に出演してきた。先輩俳優からの紹介を受け、二刀流への挑戦を決めた。