ウクライナ「露戦力は37万人」「最終目標は国家破壊」

ウクライナ・ドネツク州で、バフムト方面に迫撃砲を撃つ兵士=20日(ゲッティ=共同)
ウクライナ・ドネツク州で、バフムト方面に迫撃砲を撃つ兵士=20日(ゲッティ=共同)

ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ国防省メディアセンターは26日、現時点で露軍が約36万9千人の軍人をウクライナに派遣していると発表した。同センターは、露軍の目下の目標は東部ドネツク州全域を制圧することだとした上で、「ロシアは独立国家としてのウクライナを破壊するという最終目標を放棄しておらず、そのために力でウクライナに交渉を迫ろうとしている」と指摘した。

露軍は現時点で、ドネツク州の面積の約6割超を支配下に置いているとされる。同センターは、露軍が同州内で制圧を狙っている主な都市として、最激戦地のバフムトや、親露派武装勢力が支配下に置く州都ドネツク市近郊のアブデエフカやマリインカを挙げた。また、露軍が48個の旅団、122個の連隊、戦車など5900の兵器を戦線に投入しているとした。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、中国の習近平国家主席と同日に行った電話会談に関し、「公正で安定的な平和を確立するための相互協力」について協議したと交流サイト(SNS)で説明。「領土を代償とした平和はあってはならず、(ウクライナが旧ソ連から独立した)1991年の国境線に基づく領土が回復されなければならない」とし、2014年にロシアが一方的に併合を宣言した南部クリミア半島を含む領土の奪還を実現する考えを改めて示した。

前線の戦況を巡り、ウクライナ軍参謀本部は26日、バフムト市内で激しい戦闘が続いていると発表。アブデエフカやマリインカ周辺などで前進を図った露軍を撃退したとした。

南部ミコライフ州のキム知事は27日未明、露軍のミサイルが州内の集合住宅に着弾し、少なくとも1人が死亡、15人が負傷したと発表した。

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