クリミア半島の帰属や旧ソ連諸国の主権に関する中国の盧沙野(ろ・さや)駐フランス大使の発言について、中国の在フランス大使館は24日、大使の「個人の見解」で「過剰な解釈をすべきでない」との声明を出した。中国外務省の毛寧(もう・ねい)報道官は記者会見で「中国は旧ソ連諸国の主権と国家としての地位を尊重している」と述べ、中国の立場は変わっていないと釈明した。
クリミア併合などロシアの支配を容認するかのような盧氏の発言には旧ソ連のバルト3国やウクライナが猛反発。欧州全体に非難が広がっている。中国の大使がロシアに肩入れした姿勢を示したことでウクライナ情勢を巡る中国の公平な立場を疑う声も高まり、中国は火消しに追われた。
在フランスの中国大使館は一時、大使の発言をウェブサイトに掲載したが、その後に削除した。(共同)