「代われるなら」知床沈没1年を前に家族らが心境

沈没後、海面上までつり上げられた観光船「KAZU Ⅰ(カズ・ワン)」の船体=令和4年5月26日、北海道斜里町沖
沈没後、海面上までつり上げられた観光船「KAZU Ⅰ(カズ・ワン)」の船体=令和4年5月26日、北海道斜里町沖

昨年4月の北海道・知床半島沖の観光船「KAZU Ⅰ(カズ・ワン)」沈没事故から1年を前に、乗客家族の有志が20日、オンラインで会見を開き、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(59)に家族や社会への説明責任を果たすよう訴えた。事故の一因となったハッチの不具合に関し、国や日本小型船舶検査機構(JCI)の検査にも「問題があった」と指摘した。

一方、会見に出席しなかったが、犠牲者の鈴木智也さん=当時(22)=の遺族も取材に書面で回答し「『(智也に)代われるならば代わってあげたい』と思いながら過ごした1年」だったと沈痛な心境を明らかにした。

智也さんは船上でプロポーズを予定していた交際相手の女性=当時(21)=と観光船に乗り込み、2人とも犠牲になった。

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