交流サイト(SNS)に裁判当事者を傷つける投稿をしたなどとして訴追された仙台高裁の岡口基一判事(57)=職務停止中=の弾劾裁判の第5回公判が19日、裁判官弾劾裁判所(裁判長・船田元衆院議員)で開かれた。投稿で侮辱されたとする殺人事件の遺族の証人尋問が行われ、「娘を汚されたような気がした」と訴えた。
岡口氏は平成29年、都立高3年の岩瀬加奈さん=当時(17)=が27年に殺害された事件を巡り「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖を持った男」「そんな男に、無惨にも殺されてしまった17歳の女性」とSNSに投稿。令和元年には抗議した遺族について「俺を非難するよう東京高裁に洗脳されている」などと書き込んだ。
証人尋問では、岩瀬さんの母、裕見子さん(54)が「気持ちが悪くて嫌だった」と事件についての投稿を見た際の心境を振り返った。「洗脳」投稿については「投稿があった日は加奈の命日で、報復されていると思った」と話した。
岡口氏側は昨年3月の初公判で、投稿について謝罪する一方、侮辱の意図はなかったとして全面的に争う姿勢を示している。