台湾の蔡英文総統は米国カリフォルニア州に滞在していた今月6日の早朝、台湾への帰途につく前にホテルで同行記者団と懇談した。マッカーシー米下院議長と会談した翌朝だった。「米国の印象は」と聞かれた蔡氏は「台湾を支持するみなさんの熱意を強く感じた」と語った。
蔡氏がここで「米国の台湾への支持」を強調した背景には、最近の台湾で「疑米論」が台頭していることがある。疑米論とは、「米国は信用できない」「いざというとき、米国は台湾を助けに来ない」と米国を疑う論のことである。
台湾で3月20日、政治大学教授の馮建三氏や中央研究院の盧倩儀氏ら4人の著名な学者が、蔡政権の親米路線を批判する「戦争反対声明」を発表して大きな話題を呼んだ。4人は「親米路線は戦争をもたらす」「米国は台湾を犠牲にしようとしている」などとし、米国との関係強化に反対する姿勢を明らかにした。