流れ出る汗の多さにより日常生活に支障が出る重度の多汗症患者のため、近畿大学薬学部と大阪・堺の企業などのチームが産学連携による商品開発を進めている。まずは手袋の商品化を進めており、滴り落ちる汗を食い止める工夫には「科学の力」が貢献している。国内には約80万人の重度の患者がいて困難に直面しているものの、外部からは分かりづらく、支援を求めにくい。商品開発には、そんな多汗症の当事者の声が生かされているという。
■日常生活に支障も
多汗症は、気温や心理状況とは関係なく主に手足や脇、頭部などから大量の汗が出る疾患。手のひらの過剰な汗は「手掌(しゅしょう)多汗症」と呼ばれ、脇の下なら「腋窩(えきか)多汗症」、範囲が全身に及ぶ場合は「全身性多汗症」と呼ばれる。