衆院千葉5区補選 主要6候補の街頭演説

衆院千葉5区補欠選挙で、街頭演説を聞く有権者ら=11日午前、千葉県浦安市(鴨志田拓海撮影)
衆院千葉5区補欠選挙で、街頭演説を聞く有権者ら=11日午前、千葉県浦安市(鴨志田拓海撮影)

11日に告示された衆院千葉5区(市川市の一部、浦安市)補欠選挙には、与野党6党の公認候補ら元職・新人の7人が立候補を届け出た。選挙戦の初日から各党の党首や幹部が選挙区に応援に入り、総力戦の様相となった。投開票日は23日。

政治資金パーティーの収入を過少記載していたことを受け、薗浦健太郎氏(自民党を離党)が辞職したことに伴う補選で、「政治とカネ」の問題も争点となっている。9日に投開票された県議選や千葉市議選と同じく、子育て政策や物価上昇への対応、景気対策なども焦点だ。

県議選や千葉市議選では投票率が低かったことから、政策論争が有権者の関心を引きつけられるかも注目される。

11日の街頭演説の内容は以下の通り(届け出順)。

(自民党の英利アルフィヤ氏)

自民党の茂木敏充幹事長を迎え、市川市内のホテルで出陣式を行った後、JR市川駅前に移動し、第一声を行った。

その後は選挙カーで各地を転戦し、午後には東京メトロの南行徳駅前へ。「今のわが国は大事な局面にある。物価高騰や子育ての限界などに直面している。未来に希望が持てる政策を担いたい」と訴えた。

元国連職員で海外生活が長かったという英利氏。「伝統文化を尊重しながらわが国を前に進めてきた政権与党の力を、ぜひ支えていただきたい」と声を張り上げた。

小林鷹之衆院議員や猪口邦子参院議員ら県選出国会議員や地元議員も応援に駆け付け、英利氏の政策や人柄をアピールした。

(国民民主党の岡野純子氏)

市議を務めた浦安市内で選挙戦をスタートし、東京メトロの浦安駅前には国民民主党の玉木雄一郎代表も駆けつけた。正午には浦安市役所の前に選挙カーを止め、市職員らに感謝の言葉を伝えた後、本格的な遊説を開始した。

JR新浦安駅前では、補欠選挙の原因となった「政治とカネ」の問題に触れた上で「それだけを争点化するのは違う。皆さんの暮らし向きをよくするための提案を前向きに伝える選挙戦にしたい」と強調した。

賃金が上がる経済の実現や子育て支援などを掲げた上で、「努力をする人に報いる社会を作りたい。市議の仕事を通して知った顕在化していない課題を、国政で明らかにしたい」と訴えた。

(政治家女子48党の織田三江氏)

午前10時半ごろ、JR市川駅南口で第一声を行った。政治家女子48党(旧NHK党)の立花孝志氏や浜田聡参院議員らが応援でマイクを握った。

織田氏は「政治家女子48党は女性議員を増やそうと考えている」と説明。「議員は男性ばかり」と強調し「女性、主婦、子育て世代の目線に立ち、生の声を届けていきたい」と話した。

また、若者の選挙への関心の低さについても言及。「若い人が選挙に興味を持っていただけるよう活動していく」とした上で「(若者自身が)選挙に出られると思えないと、若い人が選挙に関心を持たない」と指摘。政策として、選挙におけるインターネットでの投票権や、18歳からの被選挙権の実現などを訴えた。

(立憲民主党の矢崎堅太郎氏)

立憲民主党の泉健太代表や野田佳彦元首相が応援に駆けつけた。

午後2時ごろ、東京メトロの浦安駅南口で行った街頭演説で矢崎氏は今回の補選が行われるきっかけとなった経緯に触れ、「自民党の政治家が不正をしてお金を懐に入れた。断じて許してはいけない」と批判した。「政治とカネの問題は5区から根絶しなければならない。自民党の政治に対してNOと言える選択を」と強調した。さらに「投票率低下で喜ぶのは既得権益だ」と、投票を呼びかけた。

また「市川、浦安の歴史を知り、将来にも責任を持てる候補者は私だけだと思う」とアピール。「この地域をより住みやすい街にしていく」と意気込んだ。

(日本維新の会の岸野智康氏)

JR本八幡駅北口で正午から演説を行った岸野氏の応援では、日本維新の会の藤田文武幹事長がマイクを握った。

岸野氏は「生活が苦しくなってきているのは全部、政治の責任だ」と強調。衆院補選は政治を変える機会だとして、「我々は批判だけではなく実績を語ることができる野党だ」と話した。

岸野氏は同党が地方で実現してきた行財政改革を本県から広げていくとアピール。そのためには選挙に勝つことが必要だが、県議選での低い投票率に言及し、「皆さんが政治をあきらめてしまっているのがよくわかる。明るい日本を築いていくため、日本維新の会が責任をもって前に進める」と支援を訴えた。

(共産党の斉藤和子氏)

斉藤氏は午前10時からJR本八幡駅北口で第一声。共産党の志位和夫委員長や同党の県議らが応援に駆けつけた。

斉藤氏は、「国民の苦しみを共有できるのが本来あるべき政党の姿」と話し、「政治が国民から離れている」と聴衆に訴えた。

また、格差問題などに触れ「子供の医療費も学校給食費も国の責任で無料にする」と述べた。岸田政権が「軍拡」に進んでいると批判し、「外交の力でこそ国民を守り、戦争がない平和な日本、アジアをつくっていく」と言葉に力をこめた。

志位委員長は、斉藤氏の衆院議員時代を振り返り、「とことん現場主義を貫く国会質問をした。斉藤さんの質問が政治を動かした」と強調した。

会員限定記事会員サービス詳細