除名問題が影響か 共産が統一選で苦戦

共産党・小池晃書記局長(春名中撮影)
共産党・小池晃書記局長(春名中撮影)

統一地方選前半戦のハイライトとなった大阪府知事選や県議選などで共産党の党勢後退が明らかになった。現役党員への相次ぐ除名処分などが影響した可能性もあり、後半戦でも苦境が続けば執行部批判が強まりかねない。

「党の自力が低下している」「全力を挙げて後半戦に臨まなければ結果は出せない。危機感、緊張感を持って後半戦に臨んでいきたい」。共産の小池晃書記局長は10日の記者会見で、前半戦の苦戦をこう振り返った。

大阪府知事選では〝将来のエース〟の一人と目されていた元共産参院議員の辰巳孝太郎氏が、現職の吉村洋文知事に200万票以上の大差で退けられた。また、新潟、福井、静岡、福岡、熊本の計5つの県議会で議席が消滅した。

著書などで党首公選制導入を訴えたジャーナリストの松竹伸幸氏や鈴木元氏への除名が響いたとの指摘もある。小池氏は「今回の選挙全体に影響を与えたとは思っていない」と関連を否定したが、松竹、鈴木両氏が拠点とする京都の府議・市議選で共産は議席を減らした。共産は両氏が「分派活動」に従事したと糾弾するが、不寛容さを問題視する声は根強い。

元共産政策委員長の筆坂秀世氏は「今回の党勢後退で党内は元気を失うだろう。松竹氏らの問題も踏まえ、来年の党大会に向けて執行部批判が強まるのではないか」と話した。(内藤慎二)

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