米紙ニューヨーク・タイムズは9日、ロシアのミサイルや自爆型ドローンの迎撃のためウクライナ軍が地対空ミサイルを大量に消費しており、5月には主力システムの弾薬が底をつく恐れがあると報じた。米国防当局者らは、ロシアの戦闘機や爆撃機が制空権を握り、攻勢に出る可能性があると危惧しているという。
交流サイト(SNS)に流出した米国の機密文書や米当局者らの話を基に伝えた。同紙によると、米国防総省の2月28日付の機密文書は、ウクライナ軍が使う地対空ミサイルシステムのうち旧ソ連製「ブク」のミサイルは4月中旬に、「S300」のミサイルは5月3日に払底すると試算。ブクとS300はロシア軍の戦闘機や爆撃機に対する防空の9割を担う。前線のウクライナ地上部隊を守る防空システムも、5月23日までには無力化されると指摘している。
ウクライナ軍の地対空ミサイルの脅威がなくなれば、ロシア軍が航空戦力を投入し、戦況が大きく変わる可能性がある。(共同)