ホタルの美しく瞬く光はこれまで、繁殖のため雌雄が互いの存在をアピールする求愛サインだと思われてきた。だが中部大などの最新研究で、実は逆に「こっちに来るな」という意味のメッセージであることが明らかになった。種を維持していくためには、ホタル同士が互いに近い方がいいはずだが、なぜ拒絶のメッセージなどを出すのだろうか。
光の強弱に隠された意味
日本でよく知られているホタルは主に、体長約15ミリのゲンジボタルと、同約10ミリのヘイケボタルだ。ともに尾部に発光器官を持ち、ルシフェリンという発光物質に、ルシフェラーゼという酵素が作用することで黄緑色の光を放つ。