【北京=三塚聖平】林芳正外相は2日、秦剛(しんごう)国務委員兼外相ら中国要人との会談に臨んだ。3月前半の全国人民代表大会(全人代)を終えて3期目を正式に発足させた習近平政権は、対日外交を本格始動させた。中国側は、対日関係を安定させ対中投資を呼び込みたい一方、日本が米国と連携して「中国包囲網」の構築を進めていることにいらだちを強めている。
日中外相会談の開始前、厳しい表情が目立った林氏に対し、秦氏は口元を緩める場面もあった。
中国は現在、外国企業の対中投資を呼び込もうと躍起だ。昨年末まで続いた厳格な「ゼロコロナ」政策の後遺症に苦しむ中国経済回復のためで、林氏の訪中を通じて日本からの投資を呼び込みたいのが本音だ。