防衛省は2日、石垣島(沖縄県石垣市)に新設した陸上自衛隊石垣駐屯地で開設記念式典を行った。浜田靖一防衛相は隊員への訓示で「南西地域の防衛体制の強化はわが国を守り抜く決意の表れだ。隙のない防衛体制は諸君の肩にかかっている」と強調した。
式典では、石垣駐屯地司令の井上雄一朗1等陸佐に隊旗が授与され、駐屯地の看板が除幕された。
石垣駐屯地は島のほぼ中央に位置し、敷地面積は約47ヘクタール。3月16日に開設し、約570人の隊員を配置した。主力部隊の「八重山警備隊」に加え、敵艦隊を迎撃する「12式地対艦誘導弾」や上空を守る「03式中距離地対空誘導弾」を運用するミサイル部隊などで構成される。
南西諸島の離島の陸自駐屯地としては、平成28年の与那国島(同県与那国町)、31年の宮古島(同県宮古島市)と奄美大島(鹿児島県奄美市)に続く新設となり、同諸島での陸自拠点の空白が解消された。
浜田氏は式典後の記者会見で、一連の部隊配備の意義について「力による一方的な現状変更を許容しないとの意思を示し、南西地域への攻撃に対する抑止力・対処力を高める」と説明した。