参院憲法審査会で野党筆頭幹事を務めていた立憲民主党の小西洋之参院議員が記者団に、衆院憲法審査会を念頭に「毎週開催は憲法のことなんか考えないサルがやることだ」「何も考えていない人たち、蛮族の行為だ。野蛮だ」と語った。
ツイッターで、発言を報じたNHKとフジテレビに「元(総務省)放送政策課課長補佐に喧(けん)嘩(か)を売るとはいい度胸だと思うが」「放送法などあらゆる手段を講じて、その報道姿勢の改善を求めたい」と投稿した。
国会の一員の言動としてふさわしくない。毎週開催への「サルがやること」「蛮族の行為」呼ばわりは品性が疑われる。小西氏は「衆院(憲法審)なんて誰かに書いてもらった原稿を読んでいるだけだ」とも述べた。
立民も含む与野党から「あきれた」「侮辱だ」「同意できない」などと反発の声があがった。衆院憲法審の運営は立民も合意の上だった。立民の泉健太代表が小西氏について「自制心をなくし、他者を攻撃するばかりではいけない」と述べ、参院憲法審の野党筆頭幹事更迭を表明したのは当然だ。
小西氏は「憲法を真面目に議論しようとしたら毎週開催なんてできるわけがない」とも述べていた。更迭は参院憲法審の審議促進につながるかもしれない。
小西氏は会見で、サル発言などを撤回し、「私の発言の報道により不快な思いをされた方にはおわびを申し上げたい」と述べた。報道をわびるだけなのか。また、オフレコの場での発言だったと唱え、「サル」と言った直後に撤回していたとして、「切り取られて報道された」と憤った。発言報道への法的措置を示唆した。どこまで反省しているのだろうか。
オンレコかオフレコか見解が分かれているが、発言の問題性を左右するかは疑問だ。首相秘書官が2月、同性婚をめぐり差別的発言をしたと報じられた。オフレコの場の発言で、秘書官は撤回、謝罪したが、小西氏の属する立民は秘書官を厳しく批判していた。
小西氏は国会で、放送法上の「政治的公平」をめぐり、政府が解釈を変更してテレビ局に圧力をかけようとしたのではないかと質問していた。その当人がツイッターで元総務官僚の経歴を振りかざして、テレビ局に対し「喧嘩を売るとは」などと投稿したのはおかしな振る舞いというほかない。