昭和46年の渋谷暴動事件で殺人など5つの罪に問われた過激派「中核派」の活動家、大坂正明被告(73)。昨年10月から東京地裁で始まった公判では検察側の立証の核と目された暴徒化したデモ参加者らの証人尋問がほぼ終わった。悔恨を語る一方、大坂被告の事件の詳細について「覚えていない」などの回答が続出。「当時の取り調べで作り話をした」と話した人もいた。検察側は「法廷の証言より信用性がある」として、半世紀前の証人らの供述調書の証拠採用を要求。弁護側との攻防が続いている。
革命に疑問
「学生・労働者に加えて、人民が立ち上がる闘争なんだという位置づけだった」。米軍駐留を認めた沖縄返還協定に反対するデモに参加し、警戒中の機動隊員や派出所を火炎瓶などで襲撃する暴動に加わっていた男性(68)は昨年11月、法廷でこう証言した。