改正道交法が1日施行され、自転車に乗る全年齢の人にヘルメット着用が努力義務となった。頭を守ることで被害を軽減する効果は大きい。罰則はなく、いかに利用者の意識を向上させられるかが課題になる。
警察庁によると、令和4年に全国で起きた自転車に乗った人の交通事故で、死傷者の着用率は9・9%。死者の半数が頭部に致命傷を負っていた。
先行し、条例で同様の規定を設けている自治体もあるが、着用率は伸び悩む。名古屋市は3年10月から全年齢で着用を努力義務化。ただ市民500人を対象にした昨年7月のアンケートでは、自転車に乗る際ヘルメットを着用すると答えた人は12・9%にとどまった。理由は「面倒だから」が最多だった。
各地の警察は販売店に協力を依頼するなどし、ヘルメット着用の定着に向けた周知に力を入れる考えだ。