国際オリンピック委員会(IOC)は1日、来年のパリ五輪に向けた予選にロシア選手が参加する場合に、ウクライナ政府が自国選手を欠場させる方針を示したことを受け「この決定が実行されれば、ウクライナの選手たちを傷つけるだけだ」と批判する声明を発表した。
ウクライナ政府は、IOCが同国への侵攻で除外が続くロシア、ベラルーシ両国選手について、「中立」などの条件付きで復帰を認めるよう各競技の国際連盟に勧告したことに反発。一方でテニスのウクライナ連盟は、中立のロシア選手らとツアーなどで日々対戦している国際大会を欠場すれば「ウクライナのテニスの破壊につながる」との声明を公表している。
IOCはウクライナ選手が大会を欠場しても「世界が止めたいと願っている戦争に対して何も効果はないだろう」と指摘した。
各国オリンピック委員会連合(ANOC)は3月31日、ロシア選手らの参加する国際大会にボイコットする姿勢を示す政府を「スポーツの独立性への直接的な干渉で、スポーツの明確な政治化だ」と非難した。(共同)