【ニューヨーク=平田雄介】米メディアは3月31日、不倫相手への口止め料支払いを巡る違法行為で起訴されたトランプ前大統領の罪状認否が4日、東部ニューヨーク市内の裁判所で行われると伝えた。トランプ氏は「無実」を主張している。トランプ氏の代理人は、検察との司法取引に応じず争う方針を表明した。
米紙によると、トランプ氏は3日、南部フロリダ州の邸宅からニューヨーク入りする意向だ。罪状認否は4日午後(日本時間5日未明)に予定されている。罪状は重罪を含む20件以上との報道もある。
これまでの捜査は、トランプ氏が2016年大統領選の期間中、不倫相手とされるポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんに支払った口止め料13万ドル(約1700万円)に関して行われてきた。口止め料はトランプ氏の元側近で弁護士のマイケル・コーエン氏が肩代わりして支払い、のちにトランプ氏が弁済した。
この弁済費用の会計処理を巡り、トランプ氏の一族企業が「弁護士費用」と計上したことが業務記録の偽造にあたるとの見方を米メディアは伝えている。ダニエルズさんへの支払いも選挙資金に関する法令に違反した可能性があるという。
トランプ氏を巡っては、20年大統領選での落選を覆すために南部ジョージア州の州務長官に圧力をかけた疑い▽21年の米議事堂襲撃事件で支持者を扇動した疑い▽大統領退任時にホワイトハウスから機密文書を持ち出した疑い-でも捜査が進んでいる。