山梨県勢初の頂点に導いた吉田監督、史上4人目の2校でV

山梨学院を甲子園大会初優勝に導いた吉田監督=4月1日、甲子園(甘利慈撮影)
山梨学院を甲子園大会初優勝に導いた吉田監督=4月1日、甲子園(甘利慈撮影)

1日行われた第95回選抜高校野球大会の決勝。山梨学院が報徳学園(兵庫)を7-3で破り、コロナ禍で中止となった2020年の選抜大会を含め春夏計16度目の甲子園で悲願の優勝を達成した。県勢としても初の頂点に導いた吉田監督は勝利の瞬間、息子でもある健人部長と抱き合って喜び、お立ち台では「期待を裏切ってばかりでしたけど、少しは帳消しにしてもらえたら」と笑みを浮かべた。

09年に地元の長崎・清峰を率いて選抜制覇。13年に母校である山梨学院大の付属校に招かれた。だが、20年の選抜を除く8度の甲子園では6度の初戦敗退を喫し、残る2度も1勝止まり。「山梨の虎、甲子園の子猫ちゃん」と揶揄されたこともあったという。

公立校だった清峰とは違う私立校の重圧も感じ「選手のための甲子園なのに、自分が勝ちたい思いが強すぎた」と振り返る。今大会に向けては清峰時代を思い返し「甲子園楽しむぞ!というような感じ」で、ベンチから明るい雰囲気を作り出すことを徹底した。

2校で全国制覇を達成した監督は取手二、常総学院(ともに茨城)を率いた木内幸男さんらに続き史上4人目。「自分は何もやっていない」と謙遜する。それでも「全国制覇の後にしなければならないことは経験がある。今のチームに還元したい」と早くも夏に目を向けた。(大石豊佳)

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