熊本市は1日、予期せぬ妊娠に悩む女性らを対象に「妊娠内密相談センター」を新設した。誰にも明かしたくない人のニーズに寄り添うため、名称に「内密」を入れた。24時間、年中無休でメールや電話を受け付ける。匿名も可能で費用無料。
熊本市にある慈恵病院は、病院以外に身元を明かさず出産する「内密出産制度」を導入している。大西一史市長は、内密出産の決定や母の身元情報収集を担う「妊娠葛藤相談所」設置を目指したが、法制化が必要だとして見送り、現行法で対応可能なセンターの設置に至った。
センターは市の保健所などが入る建物に設けられ、保健師や心理相談員ら職員6人が常駐する。内密出産の希望があった場合、まずは公的な制度を活用した支援を提案する。意向が強ければ、慈恵病院との連携も想定している。不妊治療の相談や、子供への性教育も実施する。
相談用電話番号は、096・366・3060。