森永製菓は、ビスケット「マリー」の発売100周年を記念し、池田理代子さんによる名作少女漫画「ベルサイユのばら」とコラボレーションした特別限定パッケージのビスケット、クッキー全8品を4月上旬~6月に期間限定で発売する。ベルばらのメーンキャラクターであるマリー・アントワネットとオスカルを華麗にデザインして収集欲をくすぐり、「大人女子」たちのハートを射止めたい考えだ。
商品名の由来はマリー・アントワネット
森永製菓によると、「マリー」は大正12(1923)年に発売。商品名の由来となったのは、マリー・アントワネットだ。フランス革命で処刑された悲劇の王妃だが、菓子を愛していたことでも知られる。宮廷内にビスケットの焼き窯を造らせ、優れた風味のビスケットを焼かせていたとの逸話が残る。
「マリー」を特徴づける赤いパッケージは、昭和36(1961)年に登場した。赤は温かい家族の愛をイメージさせ、現在も継承されている。
今回発売する特別限定パッケージの商品は、「マリー」をはじめ、バター風味のビスケット「チョイス」や、卵とバターの味わいを豊かに焼き上げたクッキー「ムーンライト」など全8品。いずれもオープン価格で、30~50代の女性がターゲットだ。
「ベルばら」は、フランス革命期のベルサイユを舞台に、女性として生まれながらも軍人として育てられた男装の麗人・オスカルとマリー・アントワネットを軸に繰り広げられる壮大な歴史ロマン。池田さんが高校生の頃にシュテファン・ツヴァイクの伝記「マリー・アントワネット」を読んだ経験が誕生の背景にあるという。
昭和47~48年に少女漫画雑誌「週刊マーガレット」で連載され大ヒットに。49年には宝塚歌劇団で舞台化され社会現象となった。現在でも強いブランド力を誇り、ワインや化粧品、アクセサリーなど幅広いジャンルでコラボ商品が生み出されている。
ともにマリー・アントワネットにルーツがある「マリー」と「ベルばら」。日本の洋菓子と少女漫画をそれぞれ代表するロングセラーが生み出す相乗効果が注目される。(宇野貴文)