大日本図書、令和5年度検定申請せず 選定巡る汚職で

教科書会社「大日本図書」は31日までに、大阪府藤井寺市立中の教科書選定を巡る汚職事件を受け、新たな中学校教科書の発行を認めない罰則を科すとした文部科学省の決定により、令和5年度に実施予定の検定には申請しないとホームページ上で明らかにした。

ホームページによると、文科省から28日付で、5年度の検定不合格の対象を数学、理科、保健体育とする旨の通知を受領。申請を断念し「関係する全ての皆さまに心よりおわび申し上げます」などと表明した。

現行の中学教科書は発行を継続し、6年度から使用される小学校の教科書については、28日公表の検定で合格しており、新版を発行するとしている。

一方、文科省は31日、採択の公平性確保を徹底するよう都道府県教育委員会に通知した。大日本図書側が昨年、採択関係者に飲食を無償提供するなど、不当な利益供与があったことに触れ「採択の公平性、透明性に疑念を生じさせたことは極めて遺憾」などと記載。疑惑の目を向けられないよう、公正確保の徹底に万全を期すよう求めた。

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