防衛省は31日、日中両国の防衛当局幹部間を直結するホットラインを設置したと発表した。今春の設置を目指すことで中国側と合意し、回線敷設などの技術面の調整を進めていた。東シナ海での両国の偶発的な衝突も懸念される中、幹部同士が直接連絡を取り合う仕組みを作り、危機回避の手段とすることを目指す。
防衛省によると、ホットラインは情報の秘匿性が高い専用の回線を活用し、防衛省・自衛隊と中国国防省の幹部を結ぶ。防衛省の担当者は「確実な通信手段を確保できたという点で意義がある」と説明している。
両国は2018(平成30)年、自衛隊と中国軍の偶発的衝突の回避を目的とする相互通報体制「海空連絡メカニズム」の運用を始めた。ただ、柱である幹部間ホットラインは未開設の状態が続き、昨年11月の日中首脳会談で早期運用を目指すことを確認していた。