ロシアが北朝鮮から武器調達企て 米が仲介人に制裁措置

国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官(ゲッティ=共同)
国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官(ゲッティ=共同)

【ワシントン=坂本一之】バイデン米政権は30日、ウクライナ侵略を続けるロシアが北朝鮮から武器や弾薬を調達しようとするのを仲介したスロバキア国籍の武器商人を制裁対象に指定したと発表した。米国内資産が凍結される。北朝鮮からの武器調達に関連した制裁の発動は初めて。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は30日の記者会見で、この武器商人がロシアと北朝鮮との秘密の武器取引の仲介を図り、昨年末~今年初めに北朝鮮当局者と接触し、20種類以上の武器や弾薬を入手してロシアに送ろうとしたと説明した。取引は成立していない。

カービー氏によるとロシアは武器調達に向け代表団を北朝鮮に派遣することも検討している。北朝鮮は武器と引き換えに民間機や食料を求めているという。

ブリンケン国務長官は今回の対応について「ロシアの戦争遂行能力を弱体化させ、弾道ミサイル開発などに利用できる収入を北朝鮮に与えないための取り組みだ」と述べ、「ロシアが北朝鮮などから装備を入手する企てを特定し、対抗し続ける」と強調した。

北朝鮮からロシアへの武器供与を巡っては、バイデン政権が今年1月、ウクライナで活動する露民間軍事会社「ワグネル」に北朝鮮が歩兵用ロケットやミサイルなどを提供したとする証拠画像を公開している。

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