31日に最終回を迎えたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「舞いあがれ!」のファンイベント「舞いあがれ!感謝祭」が同日、物語の舞台の一つとなった大阪府東大阪市の市文化創造館で行われた。開演前にヒロイン・舞役の福原遥さんと、幼なじみで夫の貴司を演じた赤楚衛二さん、舞の父・浩太役の高橋克典さんが取材に応じ、福原さんは「これからもずっと、舞と一緒に生きていきたい」と語った。
「舞いあがれ!」は東大阪や長崎の五島列島などを舞台に、空を飛ぶ夢を追うヒロインの姿を描いた。最終回では舞が操縦する「空飛ぶクルマ」が五島列島出身の祖母を乗せて故郷の空を飛び、それを島民らが見守った。
福原さんは「300人くらいのエキストラの皆さんが、他の島からも船で集まってくださった。この作品にたくさんの愛を注いでくださって、感謝しています」と話した。
舞の父、浩太は物語の途中で急死した。演じた高橋さんは「続きの台本を読まず、天国から見守るような気持ちでオンエアを見ていた」と明かす。東大阪にあるねじ工場の経営者を演じたことを通じ、ねじが試行錯誤して作られていたのを知ったといい、「何かと何かをつなぐ、ねじみたいな人間になりたいなと思いました」と語った。
3人とも関西弁のネーティブスピーカーではないため、大阪の言葉を使ったせりふには苦労も。そんな中、関西出身の山口智充さんとくわばたりえさん演じる両親を持つ貴司役の赤楚さんは、2人のアドリブの演技に加われるようになりたいと意気込んでいた。
後半になると両親とのシーンが少なくなり、赤楚さんは「消化不良ですが、失敗しなくて良かったと安心している自分もいる」。高橋さんは「(山口さんとくわばたさんは)大阪弁ができていないと厳しくてね。撮影中、ずっとうるさく言われた」と振り返ると、「一つ言えるのは、あの両親からこの子(貴司)は生まれない」と笑わせた。(藤井沙織)