【台北=矢板明夫】中米訪問の経由地として米ニューヨークを訪れた台湾の蔡英文総統は3月30日夜(現地時間)、大手シンクタンク、ハドソン研究所で非公開の会合に参加した。蔡氏は講演し、研究所の「グローバルリーダーシップ賞」を授与された。台湾の国防部(国防省に相当)によると、中国の軍用機9機が31日、台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」である中間線を越えて活動した。
ロイター通信によると、蔡氏は会合の中で「中国は故意に緊張を高めるが、台湾はいつも注意深く冷静に対応している。両岸関係の責任ある当事者であることを世界に示すためだ」と述べた。
ハドソン研究所のウォルターズ所長は授賞理由について、「蔡氏は大きな勇気と決意をもって民主主義(の台湾)を率い、専制に抵抗して、自由で開かれたインド太平洋地域を維持している」と説明した。
蔡氏は「台湾は世界の平和を望んでいる。一方で、戦争を回避する最も良い方法は自らが実力を持つことだ」と強調し、「台湾は国際社会からの支持を必要としている。国際組織への加盟に協力していただきたい」と訴えた。