総務省消防庁は31日、令和4年の救急車の出動件数(速報値)は、前年比16・7%増の722万9838件で、過去最多だったと発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴い搬送要請が急増し、初めて700万件を突破。搬送人数も621万6909人で、最も多くなった。
理由別では、新型コロナを含む「急病」が最も多く、前年比20・8%増の489万8917件だった。このほか部活やスポーツ大会などの「運動競技」が23・4%増、「一般負傷」が13・6%増、「労働災害」が10・4%増と目立った。
都道府県別では岩手(8・7%増)を除く46都道府県で10%超の伸びを記録した。増加率は沖縄の21・1%が最も高く、埼玉20・2%増、佐賀20・1%増と続いた。
年代別に見ると、65歳以上の高齢者が全体の62・1%に当たる386万2874人。消防庁の担当者は「もともと高齢化の影響で搬送者は長期的に増加傾向だった。そこにコロナ搬送が加わって、さらに増えたと考えられる」としている。