【ワシントン=大内清】ブリンケン米国務長官は30日、ロシアの治安機関、連邦保安局(FSB)が米紙ウォールストリート・ジャーナルのモスクワ特派員、エワン・ゲルシュコビチ記者をスパイ活動容疑で拘束したことについて、「ジャーナリストと市民社会の声を脅迫、抑圧し、不当に罰しようとするものだ」と強く非難した。また、すべての米国民にロシアへの渡航をとりやめ、露国内にいる場合はただちに出国するよう求めた。
ホワイトハウスのジャンピエール大統領報道官も同日、「スパイ容疑での拘束はばかげており、露政府が米国民を標的とすることは断じて受け入れられない。ゲルシュコビチ氏の拘束をもっとも強い言葉で非難する」と強調。バイデン政権として同紙やゲルシュコビチ氏の家族との連絡を続けるとともに、国務省を通じて露政府に直接接触していると述べた。
国務省は2月13日、ロシアへの渡航について、4段階で最も高いレベルの警告を発出。ロシアによるウクライナへの全面侵攻が長期化する中、露当局が恣意的に法を運用して米国民を不当に拘束したり嫌がらせを行ったりする恐れが強まっていると指摘していた。