藤井治芳氏が死去 旧日本道路公団の元総裁

道路公団民営化を巡り、小泉政権と対立した旧日本道路公団元総裁の藤井治芳(ふじい・はるほ)氏が18日に死去したことが30日、分かった。86歳。宮崎県出身。葬儀・告別式は近親者で行った。

旧建設省(現国土交通省)の事務次官などを経て2000年、旧日本道路公団の総裁に就任。小泉純一郎首相(当時)が進めた道路公団民営化の議論がヤマ場を迎えていた03年、公団の債務超過を示す財務諸表の公表を巡って混乱。総裁の適格性を欠くとして、石原伸晃国交相(同)から辞表提出を求められたが拒否、解任された。

旧公団の現職幹部が月刊誌でワンマンぶりを内部告発し、小泉政権や道路関係4公団民営化推進委員会は「民営化の敵」と批判したが、藤井氏は「解任は政治的なパフォーマンス」「私は誰よりも改革派」と反論していた。

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