<独自>ガソリンスタンドのカード不正 再発防止へ経済産業省が注意喚起

経済産業省
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ガソリンスタンド(GS)で、銀行口座から即時決済する「デビットカード」を使い、外国人グループがタイヤなどの高額商品をだまし取る不正利用が多発した問題で、経済産業省が再発防止に向け石油元売り事業者などに対し注意喚起を行う方針を固めたことが30日、分かった。31日にも、通知文書を送付する。

一連の不正では、給油の決済で行われる「1円オーソリ」という特殊な承認手続きが悪用された。GSでは給油量に応じて決済金額が決まるため、一定の金額を下回る安価な決済では、いったん1円でカードの有効性を確認する1円オーソリの処理がシステム上で行われ、後に実際の金額に書き換えられる。

不正はこの仕組みを店舗内の物品販売でも導入しているGSが狙われ、1円オーソリが行われる金額で、複数回に分けてタイヤなどの高額商品が購入されて転売が行われた。そこで経産省は通知文で、こうした分割売り上げについて「不正取引や犯罪行為に悪用されるおそれがある」と指摘。石油元売りなどに対し、加盟するGSでカードを用いた分割売り上げを行わないよう周知するとともに、従業員教育に取り組むよう求める。

一連の問題は、今年1月に産経新聞が報じたことで表面化。不正を行っていたのは外国人グループで、カードはスリランカの銀行が発行し、被害は判明しているだけでも約9千万円に上る。

ガソリンスタンドで新手カード不正 「1円承認」悪用で被害計9千万円


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