トランプ前米大統領が不倫相手に口止め料を支払ってもみ消しを図ったとされる疑惑で、複数の米メディアは29日、トランプ氏を起訴するかどうかの判断が4月下旬以降に持ち越される見通しだと報じた。東部ニューヨーク州の大陪審が4月下旬まで審理しない可能性が高いとしている。
トランプ氏は疑惑を否定し「偽りの訴追による死や破壊の可能性がある」とけん制している。今月18日に自身が「21日に逮捕される」と訴え、起訴を巡る判断が迫っているとの観測が出ていた。
大陪審の手続きや審理は非公開。米メディアによると、以前から4月の一部に休止期間を設けることが決まっており、間もなくその期間に入る。直近の審理は3月27日に開かれ、トランプ氏の友人が証言した。検察内部では捜査を巡る意見対立があるとも報じられており、慎重に証拠固めを進めているとみられる。
検察はトランプ氏側が2016年大統領選の直前、不倫関係にあったポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんに口止め料を支払った疑惑を捜査。トランプ氏は口止め料を立て替えた当時の顧問弁護士に弁済したとされ、その際の業務記録を捏造した疑いや、選挙関連法に違反した疑いがある。(共同)