リバティ大阪、史料を公立大に寄贈へ 裁判で閉館

リニューアルした展示を視察する松井一郎大阪府知事(当時、右)と橋下徹大阪市長(当時)=平成24年4月、大阪人権博物館
リニューアルした展示を視察する松井一郎大阪府知事(当時、右)と橋下徹大阪市長(当時)=平成24年4月、大阪人権博物館

令和2年に閉館した大阪人権博物館(通称リバティおおさか)の運営法人は30日、所蔵する被差別部落などに関する史料約3万点を7年以降、大阪公立大に寄贈すると発表した。研究に活用してもらうほか、展示もする方向で調整している。

博物館は大阪市が市有地を無償貸与し、被差別部落や在日コリアン、ハンセン病、水俣病など人権関連の展示をしてきた。橋下徹市長(当時)が展示内容を問題視し、市と大阪府が平成25年に補助金を全廃。賃料を求めて市が提訴した裁判は令和2年、建物の取り壊しなどを条件に賃料を免除する内容で和解が成立した。

運営法人は当初、同じ場所での再開を目指していた。今後、寄付金を募って公立大を支援するとしている。石橋武理事長は「常設展示をして、子供も見学できるような形を目指したい」と話した。

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